知っておきたいバリアフリーに関する知識
バリアフリーの歴史
バリアフリーという言葉が使われるようになったのは、1974年の国連障害者生活環境専門家会議で、報告書『バリアフリーデザイン』が作成されたことが、その始まりだと言われています。
バリアフリーが大きく進展したのは、1981年の国連による『国際障害者年』の指定だとされ、翌年には『障害者に関する世界行動計画』の決議とともに、計画の実施にあたり、1983年から1992年までを『国連・障害者の十年』とした宣言が行われています。
日本もこれに呼応する形で、1982年に『身体障害者の利用を配慮した建築設計標準』、1983年に『公共交通ターミナルにおける身体障害者用施設設備ガイドライン』、さらに、1985年に『視覚障害者誘導用ブロック設置指針』が定められ、我が国での本格的なバリアフリーの取組が始まりました。
その後、1994年に『高齢者、身体障害者が円滑に利用できる特定建築物に関する法律(通称:ハートビル法)』の制定、2000年には『高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律(通称:交通バリアフリー法)』が制定されました。
さらに、2006年には、それらの法律が別々につくられていることでさまざまな問題が指摘されていたことや、一体的・総合的なバリアフリーを推進するためには、二つの法律を一本化する必要があるとし、『高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(通称:バリアフリー法)』が制定され、現在に至っています。
バリアフリーとユニバーサルデザイン
「バリアフリー(barrier free)」の英語の意味は、建物の段差を取り除くことのみを指し、設備やシステム等、障がい者や高齢者などに広く対応している言葉としては「アクセシビリティ(accessibility)」という言葉が一般的だと言われています。
日本では、高齢者や障がい者等が生活する上での物理的な障害や障壁を取り除いた状態にするだけでなく、社会的、制度的、心理的なすべてのバリアの除去という意味で用いられています。
一方、ユニバーサルデザインは、バリアフリーがバリア(障壁)の存在を前提にその障壁を取り除くという考え方であるのに対して、あらかじめ年齢、性別、人種等に拘わらず多様な人々が利用しやすいように都市や生活環境をデザインすることだと言われています。
補足:ユニバーサルデザインの提唱者はノースカロライナ州立大学のロナルド(ロン)・メイスで、1980年代にそれまでのバリアフリーの概念に代えて「できるだけ多くの人が利用可能であるように製品、建物、空間をデザインすること」をユニバーサルデザインとして定義しました。
ノーマライゼーション
ノーマライゼーションは、障がい者を特別視するのではなく、一般社会の中で普通の生活が送れるような条件を整えるべきであり、共に生きる社会こそノーマルな社会とする考え方です。
この考え方を提唱したのは、1950年代にデンマークの社会省の担当官であったニルス・エリク・バンク-ミケルセンで、当時、隔離的に収容されている知的障がい者の実態に触れたことをきっかけに、1959年の『知的障がい者福祉法』の制定につながり、この法律でノーマライゼーションという言葉が世界で初めて用いられました。
その後、この考え方は世界に浸透し、1971年の『国連知的障害者権利宣言』、1975年の『国連障害者権利宣言』の土台になったとされ、1981年の『国際障害者年』のテーマを「完全参加と平等」とした国連決議へとつながっていきました。
北欧の知的障害者の処遇改善から広がったこの概念は、これからの社会を考える上でも重要な概念とされています。
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