令和7年1月8日の記者会見
市長の記者会見
幹事社:毎日新聞・共同通信
市長
皆様、明けましておめでとうございます。
最初に今冬の除排雪の状況についてですが、昨年12月12日には、寒波の襲来により一部の山間部において稼働判断基準である10センチ以上の積雪を観測したところであり、今シーズンの初稼働となりました。その後、12月17日と18日には市内全域の積雪深が基準値を超えたため、二度にわたり全市一斉除雪を実施いたしました。これにより、今後の降雪に備えて除排雪関係経費9億円を増額補正したところであり、引き続き緊張感を持って対応してまいりたいと考えております。なお、今月13日には市民一斉除雪デーの実施を予定しておりますので、ご協力のほどどうぞよろしくお願いいたします。
さて、新年早々うれしいニュースがありました。宝島社が発行する移住情報誌「田舎暮らしの本」において、「2025年版第13回住みたい田舎ベストランキング」が発表され、秋田市が20万人以上のまちの「若者世代・単身者部門」で3年連続1位を獲得させていただきました。
これまでの移住支援事業に加え、企業誘致やまちの魅力づくりなどに取り組んできたことによって、若者世代や単身の移住者が増加傾向にあり、高い評価をいただくことができたと捉えております。今後も移住希望者や若者から選ばれるまちを目指し、移住支援のほか、若者の挑戦やまちを楽しむ市民の活動、子育て世代の交流を後押しする施策などに取り組んでまいりたいと考えております。
次に、報告事項を3点お話しいたします。
1点目は、まちづくりについてであります。
中心市街地では、第2期中心市街地活性化基本計画のもと、様々な事業が実現し、あきた芸術劇場ミルハスの開館などと相まって、駅前におけるマンションやホテルの建設が進んでおり、中心市街地の人口が増となりました。昨年は、千秋美術館のリニューアルオープンや千秋公園大手門の堀遊歩道が供用開始となり、今年は、佐竹史料館が10月には開館予定であることから、芸術文化ゾーンのさらなる充実を図りながら、回遊性や滞在性の高い、居心地が良い歩きたくなるウォーカブルなまちづくりを進めてまいりたいと考えております。
一方、外旭川地区のまちづくりについては、現在、外部専門家の助言等も受けながら、将来を見据えた官民連携によるモデル地区整備に向けて検討を進めているところでありますが、新スタジアムの整備場所が八橋地区に決まったことを受けて、今後、外旭川地区まちづくり基本計画の見直しを行うこととしております。
また、新スタジアムについては、多くの県民・市民がアマチュアスポーツをはじめ様々な用途で活用できる場として、さらに、交流人口の拡大によるにぎわいの創出に寄与する地元のトップスポーツクラブの活躍の場ともなるスタジアムを目指すこととしております。
現在、事業主体や整備手法などについて検討を進めているところでありますが、ブラウブリッツ秋田からは、今後のJ1昇格も見据え10,000人規模にしたいとの考えも伺っており、こうしたクラブの意向なども踏まえながら、本市の考え方を2月市議会までに整理し、議会にお示しした上で、新スタジアム整備協議会において、県・ブラウブリッツ秋田と協議してまいりたいと考えております。
卸売市場の再整備については、現在、市場内事業者と協議を重ねながら鋭意取り組んでいるところであり、コンパクトで機能的な卸売市場となるよう再整備事業を進めてまいります。
2点目は、ミラーライアーフィルムズ秋田についてであります。
本市では、市内の学生や若手クリエイターが、一流クリエイターとの映画制作を通じてまちの魅力を再発見しながら、未来への夢と希望や、まちへの誇りと愛着を育む地方創生プロジェクトを展開してまいりました。このプロジェクトが、企業版ふるさと納税制度を活用した模範となる取組であるとして、昨年12月に内閣府の「企業版ふるさと納税に係る大臣表彰」を受賞したところであります。
また、本市を舞台に制作した小栗旬監督と浅野忠信監督の作品を含むオムニバス映画「ミラーライアーフィルムズ シーズン6」と、学生が短編映画制作を学ぶワークショップで制作した「ボクと鹿」が今月18日・19日に中通のアウトクロップシネマで上映されるほか、今月10日から23日には全国のカラオケ約2,000店舗のモニターに配信され、その後は動画配信サービスでの配信も予定しておりますので、是非ご覧いただきたいと思っております。
今後も、本プロジェクトの経験を生かして、創造力豊かな人材の育成を未来のまちづくりにつなげていくなど、若い世代がこのまちに希望や誇りを持てる取組を進め、若者の挑戦を応援するまちとして選ばれるよう、シティプロモーションに取り組んでまいります。
3点目は、今年リニューアルする施設についてであります。
最初に日新小学校についてですが、令和2年度から改築事業を始めた新しい校舎は、新年度がスタートする4月から使用開始の予定となっています。新校舎の特徴は、全国でも珍しい木造三階建てで、柱や梁などを露出させることにより開放感を高める「現し仕上げ」にするほか、内外装にも木材をふんだんに使用して、児童が木の温もりと柔らかさを感じながら、快適な学校生活を送ることができる空間としております。また、使用する木材の約4割は市が保有する秋田杉を活用しており、この校舎を通じて、林業の活性化や地域循環型の森林保全などを考えるきっかけづくりになるものと考えております。
次に佐竹史料館についてですが、令和7年10月にリニューアルオープンの予定となっており、これまでの施設よりも約5倍の広い規模で、佐竹氏や秋田藩の歴史の映像や、城と城下町の移り変わりが分かるプロジェクションマッピングなどで楽しく分かりやすく紹介する常設展示室や、重要文化財等を展示する企画展示室のほか、ミュージアムグッズを扱うショップなども備えております。また、千秋公園全体のガイダンス機能を持ち、訪れた方が休憩しながら、公園を広く展望できるテラスを設けるなど、千秋公園の魅力をさらに高めるものとなっており、本市における歴史文化の中核施設として、他の文化施設や民間団体などと連携しながら、久保田城跡・千秋公園と一体的に「歴史を活かした人づくり・まちづくり・にぎわいづくり」を目指してまいりますので、オープンの折には是非ご来館くださるようお願いいたします。
私からは、以上であります。
共同
市長の現任期が残り3か月ほどとなったが、残りの任期中に取り組みたいことや、目処や道筋をつけたいことはどういったものか。
市長
一昨年、大雨によって大きな被害が発生しました。それを教訓に本来であれば、令和5年度に地域防災計画を改定する予定だったが、各部署において、災害を教訓にして見直すべき点や改善すべき点を挙げており、それらに対応をするため、この1年度ずらして、令和6年度に改定するということで、現在、策定中であり、委員会においても議論をしていただきながら、パブリックコメントも実施している。そういった中で、やはり、災害が起きないような対策はもちろん大事だが、いざ災害が起きた場合の初動体制や避難所の運営方法などを成案にして、災害に強い、そして災害が起きたときにもきちんと対応できる、そういったマニュアル・体制を構築していくのが私の使命だと思っている。
AKT
新スタジアムについて2月までに市の方で基本計画のたたき台を示すという考えで、ブラウブリッツ秋田の岩瀬社長は10,000人規模にしたいとの考えを示しているが、市長としてのたたき台の考え、構想はどうか。
市長
当初は、八橋にスタジアムを作れないかという判断の中で実際に15,000人は非常に難しい。そういった中でJリーグ側からスタジアム収容人数等が緩和されたので、当初5,000人規模から検討を始めた。私自身の理想としては10,000人くらいの規模が欲しいと思っている。今回のブラウブリッツ秋田の平均入場者数は約4,000人で、7,500人が入った試合もあったので、それを考えると現実的には10,000人規模がほしいなと。また、ラグビー協会から、2035年のラグビーワールドカップを1試合でも秋田でやりたいという話があり、最低15,000人規模でないと誘致できないような話も聞いてるので、そのために臨時に席を増設することも踏まえれば、10,000人規模を目指したいと思っている。現実に基本設計の段階で、その規模のスタジアムが収まるのか、やはり今の建築資材や労務単価などの建築費が高騰する中、県、市、ブラウブリッツ秋田が財政的に耐えられるのかなどを検討しなければならない。基本計画や実施計画を策定する中で増減はあると思うが、理想としては10,000人規模が欲しいというのが今の本音である。
AKT
以前の検討では、10,000人規模ではASPスタジアムと重なってしまうとのことであったが、スタジアムの形状がいびつでも10,000人規模を目指したいという思いが強いのか。
市長
思いが強いというよりも、理想である。ハード的に収まるかどうかは、もう少し検討しなければならない。J1に昇格した時に、チームの効果としてこれまでの1.5倍くらいの観客が入るという数字も示されているので、現在4,000~6,000人であることを踏まえると、それぐらい観客が入場する可能性があると思うので、以前の検討では、単に落とし込んだだけであり、図面を引いて、これから検討してみないと、理想はそうであるが、現実的にどうなるのかは言い切れないのが正直なところである。
AKT
整備手法と事業主体の理想はどうか。
市長
今までずっときたのは、整備主体が決まらなかったということ。整備主体はやはり秋田市がという気持ちはある。ただ、その場合の整備主体が秋田市であっても、例えば持ち出しがいくらになるのかは検討する必要がある。八橋運動公園は都市公園であり、理論値であるが、国から40~60%の補助金をいただくためには、公共団体でなければならない。県か市が事業主体である必要があり、これまでの経緯からすると事業主体が市という可能性は強いと思っている。ただ、どのくらいの金額になって、例えば県と市が50%ずつのフィフティ・フィフティなのか、それともブラウブリッツ秋田が用意できる金額があるのか、こういったものが、これからの検討となる。
ABS
当初は、民設民営であったが、断念したのか。
市長
民設民営では国の補助金が使えない状況になるので、自治体にとっても負担が少なくなる可能性を追求すれば、それはやはり公設が強いのではと思う。
ABS
10,000人規模ではASPスタジアムと重なるとのことであるが、ラグビー関係者の理解が得られれば、ASPスタジアム側に広げて整備することもあり得るのか。
市長
今までラグビー関係者と様々な議論をしてきたが、ASPスタジアムはラグビーの聖地であり、ASPスタジアムに影響があるのであれば、八橋への新スタジアムの整備を遠慮してほしいという意見をもらっている。大きな大会はソユースタジアムで行うにしても、高校生などの市民利用はASPスタジアムでやってほしいとのことであり、そのような形での整備は大変難しいと考えている。
ABS
卸売市場について、コンパクトで機能的なものとし、あり方も検討していくとのことであったが、市場の整備費も膨らむ可能性があるのか。既に試算しているのか。
市長
昨年7月に基本計画を示した時点で115億円であり、この年末にコンサルタントから実勢価格を踏まえた金額が示されたところであり、明確には言えないが相当な金額である。現在、精査中であり、1月14日に市場内事業者に金額を示す予定である。建設費が上がると、使用料も上がるので、市場協会の鈴木理事長からは、一度立ち止まって考えてはどうか、との提案をいただいている。市が一方的に整備して、市場内事業者が使用料を払えないということにならないよう、これから議論を深めていく必要があると思っている。
ABS
建設費削減のために、改修などの建て替え以外の手法も検討するのか。
市長
14日以降、市場内事業者の皆さんがどう判断されるのかも含めて検討していきたい。再整備しても入場する事業者がいなければ意味がないので、関係者との議論を深めて結論を出していきたいと考えている。
魁
新スタジアムについて、市議会への説明では、5,000人から積み上げていくとのことであったが、5,000人から積み上げて10,000人規模を目指すのか。それとも最初から10,000人規模にして、15,000人規模を目指すのか。
市長
10,000人規模というのは理想であって、まずは5,000人規模からの検討になる。財政面で問題がなく、面積的にも入るのであれば、それは追及していきたいと考えている。
魁
市長選についてだが、現時点での主な公約はどうか。
市長
まずは、一昨年の豪雨災害を経験した市長として、災害に強いまちづくりと、災害が起きてもきちんと対応ができ、安全安心な生活を送ることができるようにすることを一番強い公約にしたいと思っている。2点目は、残念ながら令和5年11月に人口30万人を切ってしまった。国立社会保障・人口問題研究所の推計よりも3年ほど遅くなったので、我々の努力も一定の成果があったと思っているが、私が就任した頃に比べて自然減が進んでいる。今は自然減、亡くなる人と生まれる人の差が相当大きくなっているので、その結果、人口減がかなりのスピードで進んでいる。そういう意味で、子どもを産み育てやすい環境を一層整えていく必要があると考えている。そのために、まずは小中学校の給食費の無償化から始めながら、できれば保育所等における給食費についても無償化するよう追求していきたいと考えている。3番目は、まちづくりである。中心市街地がにぎわいを取り戻してきたが、より一層のにぎわい創出に取り組みたい。また、外旭川地区において、持続可能なまちづくりに向けて、AIやICTなどの先端技術の活用や、ゼロカーボンに向けた実証的な取組などを進めるとともに、交流人口と関係人口の拡大に向けて観光施設などを整備したい。こういったことを実現することによって、秋田の魅力をさらに高め、若い人たちも秋田で生活をし、豊かな人生を送ることができる、そんなまちづくりを進めていきたいと考えている。
魁
知事選について、鈴木健太氏と猿田和三氏が出馬表明をしているが、市長はどちらかを支持する考えはあるのか。
市長
私は、どちらかの方を応援してくださいということは言いません。私の後援会の中でも、それぞれ支持している人が違うので、私としては、それぞれが信じる人を応援してほしいと思っており、どちらか一方を推すというスタンスではありません。
魁
そのスタンスは、選挙までずっと変わらないということか。
市長
はい。
日経
新スタジアムの事業主体は市が担うということか。
市長
今は、その覚悟を持っている。
日経
市が担う可能性が高いということか。
市長
その覚悟を持っている。事業主体としては市がやるが、例えば、その建設費の負担割合をどう持つかということは別途協議することになると思う。
時事
秋田市は大阪万博にどのように関わっていくのか。
市長
例えば、市がブースを設けて何かを出展するような計画は今のところはないが、東北絆まつりの一環の取組として竿燈を出竿し、にぎわいに貢献できるよう連携していきたいと考えている。
AKT
市長選の公約に、子どもが遊べる屋内施設を整備することを掲げているようだが、どこに整備するつもりなのか。
市長
それは決まっていない。規模も事業主体も決まっていない。山形に視察に行ってきたが、民間がやっているケースもあれば、行政が整備して民間に運営を委託しているケースもあり、それぞれ規模も異なっている。必要となる規模や機能などと合わせて、例えば市場の余剰地や外旭川が良いのか、今後、検討することとしている。
魁
新スタジアム整備費の費用負担について、少なくても県と市は同じ割合にしたいとか、市が多く出すことはしない方針にしたいとか、割合をどうしたいと考えているのか。
市長
これからの協議である。例えばフィフティ・フィフティとしたとしても、ふるさと納税や国からの補助金を差し引いた額を折半するなどの方法も考えられるが、補助金を除いたものをフィフティ・フィフティあるいは45対45対10とか、いろいろ兼ね合いが出てくるので、これからの交渉事として、それぞれ言い分は出てくると思う。現時点で市としてこうしたいと強く言うつもりはなく、今後ざっくばらんに話し合っていきたいと考えている。
AKT
今年の漢字一文字を書いていただき、その狙いを教えていただきたい。
市長
(色紙に「和」と書いて示しながら)今年の干支である乙巳の乙は、植物が根や葉を広げるように、調和を保ちながら目標に進むという意味で、巳は蛇が脱皮して、成長・発展を遂げる、そのような年回りと言われているので、私としても、これからの世界の平和と、それから、ブラウブリッツ秋田や県と調和を図っていかないと前に進めない思っており、そういう意味では、「和」を大切に、スクラム組んで前に進んでいきたいという思いを込めたものである。
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