園長コラム
大森山アートプロジェクト10年 企画パネル展の開催挨拶 (動物園ビジターセンターで開催中)

2015年に始まった大森山動物園と秋田公立美術大学(秋美)との連携事業は満10年になりました。2014年に秋田で開催された国民文化祭を受け、盛り上がりの継続を期した秋田市は2015年にアフター国文祭を企画、動物園もこれに伴い、動物園の新しい創造を探ろうと秋美との連携を始めました。
動物園は動物との出会いを楽しむ「いのちの劇場」ともいえる場所で、一般的に美術やアートの世界とは質の異なる存在として捉えがちですが、そうでしょうか。
50年近く続く大森山で開催されてきた写生大会を見てきましたが、絵筆を執る子どもの姿は画家さんだし、動物にレンズを向け、一瞬を収めようとファインダーを凝視する姿はプロのカメラマンのようです。人は動物に何かを感じ、様々な手法で表現したいのです。アートの世界に誘うモチーフや対象は様々ですが、人は自分と同じ生き物に特別な関心を示します。動物を身近にできる動物園は人々の心を揺さぶる場でもあります。動物園にアートという新たな世界、感性が融合した時、新たな一面が生まれるかもしれません。
連携事業の開始前、秋美と動物園は協議を重ねました。アートの世界と、生きる動物のハートの世界を動物園でマッチングさせ、「いのちの表現」をテーマに両者がコラボし、大森山公園・動物園をギャラリーに見立てた作品展示を行うことになりました。
プロジェクトは「大森山Arts&Zoo」で始まり、後に今の「大森山アートプロジェクト」に発展し今日に至っています。学生の育成、動物園の多様な楽しみ方創出の期待も込めています。大森山を多様なアートの力でより豊かな環境に成長させてみたかったのです。
この10年で大森山動物園、公園の雰囲気や景色はアートの力で確実に変化を見せています。プロジェクトには時に秋美附属高等学院の生徒も参加、また、動物にある思い抱いた秋美の先生による特別な作品制作も行われてきました。最近は台湾や韓国の大学の学生も本プロジェクトに参加してくれ、国際的な感性の作品も加わるようになりました。
大森山動物園は秋美の若きアーティストの感性を磨く場の一つにもなりながら、アートの力でより楽しい空間に進化しています。歩みを止めず発展させてゆきたいものです。
令和7年3月
大森山動物園〜あきぎんオモリンの森〜 園長 小松 守

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