新秋田市行政改革大綱「事務事業の見直し」
事務事業の見直し (実施項目 41項目)
事務事業の合理化 (18項目)
市が実施する事務事業については、これまでも政策ヒアリングや予算編成等を通じて、社会経済情勢の変化や多様化する市民ニーズに的確に対応しているか、厳しく点検・見直しに努めてきたところである。
しかしながら、地方財政をめぐる状況は厳しく、より効率的かつ効果的な事業執行が求められている。また、社会経済情勢の変化が激しく、その変化に対応しきれていない事業や、当初の事業目的を既に達成した事業の継続、あるいは市の関与の必要性が薄くなり、関係団体等に委ねることが適当な事業が実施されているなど見直すべき事例が存在している。
現下の社会経済情勢の変化に適切に対応し、限られた財源の中で時代のニーズにあった本当に必要な市民サービスを提供するためには、行政の責任領域を改めて見直し、関与の必要性、受益と負担の公平性の確保、行政効率、効果等を点検・整理し、一層の事務事業の整理合理化に努める。
- 功労者待遇の見直し(12年度)
市の功労者に対しては、市の公の施設の利用の優待証と、市営バスの無料パスを進呈している。このうち、市営バスの無料パスについては、多額の経費を要している割には、利用状況にばらつきが見られることから、利用実態調査を行いながら、他の方法による待遇を検討する。 - 文化章受章者待遇の見直し(12年度)
文化章受章者についても、市の功労者と同様に、利用実態調査を行いながら待遇内容の見直しを行う。 - 人事給与等オンラインシステム導入に伴う庶務の集中管理(11~12年度)
人事給与等オンラインシステムの導入により、チェックや入力などの事務作業が効率化されることから、連絡調整課による庶務の集中管理体制を整え業務の効率化を図る。 - 市政情報提供事業の見直し(11年度~)
地域情報化基本計画の推進にあわせ、キャプテンおよびけやきダイヤルのサービスから撤退し、市政情報の提供媒体をインターネットなどに移行し、より効果的な情報提供に努める。 - 公共事業整備庁内協議会の設置(11年度)
公共事業の推進にあたっては、限られた財源の中でより効率的かつ効果的な事業の実施が求められていることから、公共工事のコスト削減および複合多機能施設の検討・調整を行う協議会の設置について検討する。 - 葬営事業の廃止(11年度) 継
旧大綱に基づき、葬営事業(霊きゅう自動車、葬祭具の貸付、葬祭用品の売渡)を廃止する。 - 百歳長寿祝金、敬老年金支給事業の見直し(12年度~)
超高齢化となっている現在、多年にわたり郷土の発展に貢献してきた高齢者に対し、長寿を祝福し、敬老思想の普及・啓発を図るため、より効果的な内容への見直しを行う。 - 福祉医療制度の見直し(一部制度廃止)(11年度~)
国の制度による給付水準が十分とは言えなかった医療保険制度の補完的な役割と、社会的弱者に対する助成という意味あいから、市単独の医療費助成制度として、寝たきり老人、一人暮らし老人、県制度の所得基準額を超えた高齢身体障害者に対して助成を行ってきたが、設立時に比べ医療保険法の改正、老人保健法の拡充、年金改革・高齢福祉サービスの充実等社会的環境の整備が進められていることから、制度を廃止する。 - 一般ごみ収集運搬事務の見直し(11年度) 継
紙類のステーション回収や指定袋での収集により、ごみの減量効果が見込まれることから、ごみ収集車の減車を行う。 - 地域特産物発掘・導入促進事業の廃止(12年度)
地域固有の資源である「秋田フキ・仁井田大根」の生産振興と高付加価値化を狙いとする事業であるが、技術等の確立、担い手組織の育成が図られつつあることから、事業を廃止する。 - 追加的転作等集落達成推進事業の見直し(12年度)
地域・集落の自主的な取り組みにより、目標面積の達成が可能と判断されることから、事業を廃止する。 - 市有林経営の見直し(11年度~)
植林規模縮小、保育事業の時期、回数の見直し等市有林経営の合理化を進める。 - 道路維持課の設置場所等の見直し(11年度~)
道路維持課は、本庁舎が狭いことから八橋に分散設置されているが、市民の利便性向上および事務事業の円滑化を図るため、道路維持課の本庁舎への設置等を検討する。 - 消防団員定員の見直し(11年度~)
現在の定員1,604人を見直し、約100人程度の定員削減を図る。このことにより、定員数で支払われていた公務災害補償等組合への負担金の削減、人事管理面での事務の省力化が期待できる。 - 文化振興関係団体支援事業の見直し(11年度~)
当該事業は、文化振興関係団体を財政面で支えることにより市民文化の振興を図るとともに、より多くの市民が文化に触れる機会を提供することを目的とするものであるが、事業に対する補助への変更等補助金の見直しを行い、より効果的な支援事業をめざす。 - 児童・生徒の国際交流事業の見直し(11年度~)
教育委員会主催の海外派遣事業の費用負担のあり方等について見直しを行う。また、インターネットの積極的な活用により、多くの児童生徒が交流できる日常的な事業への発展を図る。 - 幼児保育・教育から小学校教育への連携強化(11年度) 懇
「秋田市幼稚園教育振興計画」の中にも、小学校、幼稚園、保育所の連携の強化がうたわれており、幼児期から思春期までの段階的な教育において、相互に交換・利用されるべき情報の内容や性格について検討するため、教育委員会と福祉保健部の情報交換や協議の場を設け連携を強化する。 - 移動図書館車の運営体制の見直し(11年度~) 懇
図書の貸し出しサービスをより効果的に実施するため、移動図書館車と各公民館の連携を更に強化するとともに、移動図書館車の運営等について、民間委託やボランティアの参加を検討する。
地方分権に対応した簡素効率化と総合化 (7項目)
事務事業の簡素効率化と総合化については、事務事業の効率性、効果等を勘案して、その縮小、統合等を行うとともに、民間団体等に委ねることが適切なものについては見直しを行い、最小の経費で最大の効果をあげるよう努めてきたが、従来からの事務処理手法の踏襲や、非合理的な事務処理も依然として見受けられる。
地方分権の推進に伴い、国や県の関与が縮減され、本市が自主的・主体的に決定し、処理することのできる分野が拡大することを踏まえ、煩雑・非合理的な事務処理の有無を点検して、実情に応じた創意工夫を加えながら、中核市にふさわしい総合的な行政サービスと施策展開に努める。
また、民間活力の維持向上、住民負担の軽減、行政事務の簡素化等の観点から、条例、要綱等により規制等を行っている内容を総点検し、許認可等の規制の緩和が妥当であるものについては廃止や見直しに努める。
さらに、事務手続きについても、これまで申請時の添付書類の簡素化等に努めてきたが、負担の軽減等市民サービスの向上の観点から、可能な限り簡略化や処理日数の短縮化等を図る。
- 決裁方式の見直し(11年度以降)
行政情報化に伴う事務革新にあわせ、コンピュータ画面上での決裁等により合理的・現実的な決裁方式の検討を行う。 - 行政特有の表現・表記の見直し(11年度~) 懇
わかりやすく親しみやすい文章づくりを進めることは、市民の市政に対する理解や信頼を得るために重要であり、文書事務の手引き等によりその推進に努めてきたが、チェック体制の強化等なお一層の徹底を図る。 - 会議マニュアルの作成(11年度)
限りある時間と会議室を有効に活用するため、効果的な会議の実施方法を検討し、会議マニュアルを作成する。また、庁内LANにおける電子会議機能の普及・活用に努める。 - 規制緩和プロジェクトの推進(11年度~)
本市が取り組むべき規制緩和の内容等を検討するワーキンググループを設置し、条例・要綱等により規制等を行っている内容を総点検し、可能なものについては廃止、緩和等の措置を講ずる。また、申請書類、処理手続きについても検討を加え、可能な限り簡略化に努める。 - 物品調達事務の効率化(12年度以降)
物品調達事務の効率化と入札および業者情報等を迅速に提供するため、今後導入する財務会計システムと連動した物品調達システムの構築を検討する。また、より公正かつ公平で、競争性と透明性が確保される入札を期すために、予定価格の公表、ならびに業者の登録情報および入札情報等の提供について検討する。 - 福祉部門における事務管理体制の強化(11年度)
情報システムの活用による各種情報の共有化など福祉部門における事務管理体制の強化を図り、身体障害者手帳の交付などの適切・迅速な事務処理に努める。 - 通学区域の弾力的運用(11~12年度)
申請手続きなしで、いずれかの学校を選択できる選択通学区域は現在18地域あるが、申請により指定校を変更できる指定変更許可区域のうち、特に申請が多い地域を選択通学区域に組み入れ、保護者の申請手続きの軽減と事務処理の簡素化を図る。
民間委託等の推進 (11項目)
本市は、効率的な行財政運営を図るとともに、市民の利便性の向上、ニーズに応じた事業展開を図るよう、広報紙の配布や老人福祉センターの管理運営など民間委託を積極的に実施してきている。
しかしながら、地方分権の推進に伴い市の事務が拡大することから、より効率的かつ効果的な事務事業の実施が必要となっており、民間ができることは積極的に委託し、民間ノウハウを活用しつつ、なお一層の市民サービスの向上に努める必要がある。
そのため、民間ノウハウ活用事例の研究を進めるとともに、民間委託すべき事務事業の点検・検討を進め、本市の実情に応じ、適正な管理監督のもとに行政責任を確保し、サービスの維持向上に留意しつつ積極的かつ計画的に民間委託を推進する。
- 公立保育所の民間移行(14年度~)
公立保育所の老朽化に伴い、近隣の民間保育所の整備状況を勘案しながら、施設の廃止や民間移行を進める。 - ごみ収集業務の委託(11年度~)
旧大綱に位置づけた「一般ごみ収集運搬事務の見直し」については、11年度の直営中型車の減車により終了するが、ごみ収集業務の民間委託について引き続き検討し、業務の委託を拡大する。 - 公園維持管理業務の委託(13年度~) 継
12年度の公園管理システムの導入により、業務の効率化・迅速化・ネットワーク化が図られることから、直営業務を見直し委託化を進める。 - 市営住宅の管理業務の委託(11年度以降)
市営住宅の維持管理の最適化を図るため、維持管理業務の委託を検討する。 - 学校給食調理員の見直し(11年度以降)
給食調理業務の民間委託を含め、給食調理員の今後のあり方について検討を行う。 - 体育施設の管理業務の委託(11年度以降)
体育施設の維持管理の最適化を図るため、維持管理業務の公社等への委託を検討する。 - 市立病院の医療器具等消毒業務の委託(12年度)
中央材料室で行っている消毒減菌業務を外部委託しコスト削減を図る。また、ICUへのスペースの転用を行い既存施設の有効活用を図る。 - 市立病院の給食業務の委託(15年度)
市民サービスの向上およびコスト削減を図るため、市立病院の給食業務の民間委託について検討する。 - 浄水場の運転業務の一部委託(11~15年度)
仁井田、豊岩両浄水場の業務の一元化を図り、より効率的な運転と相互応援の円滑化を図るとともに、災害等非常時対策の強化を図る。さらに業務の統合により設備保守部門の強化を図るとともに、運転業務の一部委託を行う。 - ガス一般故障業務の委託(11年度)
ガス管の取り替え、取り外し等の一般故障業務の効率化を図るため民間委託を進める。 - ガス需給調整業務の全面委託(12年度~)
製造部門の需給調整業務を全面民間委託する。
既存施設の有効活用および多機能・複合施設の建設 (2項目)
公共施設については、市民のライフスタイルの変化や市民活動の活発化など社会環境の変化により、そのあり方が問い直されている。
限られた財源の中で、市民の多様化するニーズに適切に応えるため、これまでに蓄積した社会資本を有効に活用する観点から、既存施設については、市内における広域的利用、需要の多い利用目的への転用等、できる限り既存の施設の有効活用に努める。
また、公共施設の建設にあたっては、周辺地区の状況を十分勘案して他の施設との重複を避け、機能・役割分担を明確にし、利便性の向上と施設建設の効率化を図るため、基本的に複数の機能を併せ持つ施設とする。
仮称シビックセンター構想の推進にあたっては、既存の公共施設の現況調査を実施するとともに、今後の公共施設に対する市民要望を把握し、より効果的かつ効率的な公共施設の整備を図るものである。
さらに、公共施設の管理運営については、更なるサービスの向上と運営の効率化に留意し、公共施設間の連携、管理委託、ボランティア等との協力関係の構築等を積極的に進めるものである。
- 仮称シビックセンター構想の推進(11年度~)
公共施設の全市的な適正配置を念頭に、各地区の要望等市民ニーズを的確に反映し、特色ある複合機能施設(仮称シビックセンター)について検討を進め、公共施設の利便性の向上と建設の効率化を図る。 - 公民館のあり方についての見直し(11年度)
今後の市民の生涯学習の推進のあり方を考える中で、公民館の果たす機能、役割等を再度検討し、公民館のあり方について見直しを行う。
エコオフィスの創造(エコオフィス化計画の策定と推進) (3項目)
- 環境への負荷の少ない商品の購入の推進(11年度~)
環境への負荷の少ない物品の購入、再生紙利用の一層の推進、奨励品等のガイドラインの提示、公用車における低公害車の導入等環境への負荷の軽減を図る。 - 環境への負荷の少ないオフィスの推進(11年度~)
エネルギー等の効率的利用、使用物品等のリサイクルの促進、環境にやさしい新技術の積極的導入等環境に配慮したオフィスの構築を推進する。 - 環境マネジメントシステムの導入による進行管理体制の構築と強化(11年度~)
庁内委員会等による総合的な推進体制を構築するとともに、ISOに準じた内部環境監査制度の導入により、より効果的かつ着実な推進に努める。
補足:
ISO:国際標準化機構(international organization for standardization)の略称
ISOは、モノやサービスの流通を促進するため、国際的標準規格を作っており、118の国・地域がこれに加盟している。
ISO14000シリーズ(環境マネジメントシステムと環境監査に関する国際規格)は、企業や自治体などの「組織」が活動する際に、「環境に対する負荷を軽減する活動を継続的に実施するための仕組みを規定する国際規格」を指し、グロバール・スタンダードといわれる。
補足:
「懇」印は、市政懇話会委員から提言があった実施項目
「継」印は、旧大綱から継続する実施項目
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